うちの近所の図書館は、なかなかセンスがいい
おすすめの本のコーナーを館内のあちこちに用意していて
普段は手に取らないタイプの本を
魅力的に演出してくれる
今月、ジュニア向けの本棚の一角に集められたおすすめテーマは「喫茶店」
イマドキのジュニアにとって、身近な「喫茶店」と言ったらスターバックスを始めとするコーヒーチェーン店あたりだろうか
ジュニアをしばらく前に卒業した我が娘に言わせると
彼女のジュニア時代の「喫茶店」は、
「父がシーズンに一度、ナイショで連れて行ってくれたコメダ珈琲店」
だそうだ
イマドキのジュニアにとって「喫茶店」は少し敷居が高いらしい
「だって、コンビニがお財布にちょうどいいからさぁ」
「喫茶店の本」を手に取るジュニアには
大人の香りを感じて欲しいということなのかもしれない
各地の喫茶店を紹介する本の中で
今回、私がひかれたのはこちら
著者はコーヒーゼリーを求めて、ケーキ屋さんから喫茶店まで取材している
ゼリーの専門店はあっても、コーヒーゼリーの専門店はないみたいだ
コーヒーゼリーというものは、そんなに大量に売れるものではないらしいのだ
この本によると、コーヒーゼリーの売れ行きはプリンの10分の1程度とのこと
それでも作っているお店には、コーヒーゼリーを楽しみにしている固定客が必ず一定数いるらしい
コーヒーゼリーが一般的になったのは、コマーシャルと共にスーパーに並んだこちらの商品からのようだ
カップの足元にクリームが付いた、独特のフォルムの「カフェゼリー」は1979年の発売だ
コーヒーゼリーのレシピ自体は、なんと大正時代の新聞にのっている
それによると、
コーヒーゼリーに使うコーヒーは苦味を押さえるために「二番煎じ」使うといい
なんて書いてあって、ちょっとニコニコしてしまう
私は何度か「ゼリー」作りに挑戦しているんだけど
思った通りの味にするのはかなり難しい
ゼラチンや寒天を使って「ゼリー」を演出してみるけれど
美味しいものを固めても、そのままの味にはならないのだ
それ自体は味がないようなゼラチンも寒天も
素材の味をかなり吸ってしまうし、調味料とのバランスもどうもよくない
私は、ゼリー研究は早々にあきらめて
インスタントを溶かして冷やし固める専門になった
前の晩、寝る前にお湯に溶かすだけで
翌朝、冷蔵庫にいれればおやつの時間に食べられる手軽さは、むちゃくちゃありがたい
食べ盛りの子育て中に先輩母たちから教わった「かんてんぱぱ」は
一袋で1000cc作れる量的魅力も嬉しくてリピートした
これはWikipediaの情報なんだけど
コーヒーゼリーはどうやら日本以外ではあまり人気がないようだ
レシピは1900年より少し前にイギリスでもアメリカでも発表されているけれど
いわゆる「コーヒーゼリーのもと」みたいなものは日本でしか売れていないらしいのだ
普段は甘いコーヒーは飲まないけれど
コーヒーゼリーは甘味が欲しい
私的にはクリームは無くても可
でも、カフェゼリー育ちのダンナには何か物足りなかったようで
冷凍庫からバニラアイスを持ってきて、せっせと盛られてしまった
うん
これは冷たさの違いが、美味しいね
私にとってはスイーツの一角を閉めているコーヒーゼリーも
娘にとっては「お腹のたし」あつかいだ
理由を聞いたら
「高校の自販機に大きめのコーヒーゼリーがあったから」
だそうだ
彼女が通った高校は果樹園の真ん中にある生徒数の少ない高校で
お昼にパン屋さんが出張してくる以外に食べ物を手に入れようとすると
自販機に頼るしか選択肢がなかった
そういう高校だから自販機にはカロリーメイトもあったらしいが
「あれは口の中の水分がとられるからね」
大きめのコーヒーゼリーは部活やイベント準備でお腹をすかせた時の
お助けだったというわけだ
クリームはいらないと思いながら、
冷蔵庫に買い置きしてある生クリームをしっかりめに泡立てて
二日目のコーヒーゼリーを楽しんだ
家で作ってのお楽しみは、この「二日目」ってやつですかね
「すべるなぁ
これ、スプーンにこりたいかもね」
いつもは芋の煮っころがしを盛り付ける器に
コーヒーゼリーを盛ってるのに
そこにはこらないんだねぇと笑いあった