空元気も元気!

ちょっとだけ頑張った日の記録です

【読書感想】『海街diary』 吉田秋生

 

 

海街diary』最終巻が出ました

 

 

シリーズ物は別腹、

とはいえ、ついつい1巻から読み直して

どうしたことか2晩もこの記事にかかってしまいました

こたつで寝ちゃって、おとーさんに叱られた「はむすた母」です

 

 

 

購入前から

「きっとすずちゃんが、高校に向けて旅立つまでなんだなぁ」

と、しんみりしてしまいました

もっと読みたかったよ~

 

 

 

 

 

吉田秋生さんの作品とのお付き合い

 

 

海街diary

吉田秋生さんの作品の中で、

私にはやっと自分に「カチッ」とはまった作品でした

 

『カリフォルニア物語』

『吉祥天如』

『河よりも長くゆるやかに』

『夢見る頃を過ぎても』

 

 

発表されるごとに読んできた作品は、

暑い気温感があって面白く読めるのですが、いつもざわざわして

ひとつの作品を何度も読む私には、

ちょっとうすら寒いものがありました

 

海街diary』は

しばらくぶりに読んだ吉田秋生さんの作品です

ざわつきが現実めいて、

乗り越えていく4姉妹が暖かで、

希望ある選択がいつでもほっとさせてくれました

 

 

バックレる奴が大嫌い

 

 

4姉妹は、どこかいつも人と密に向き合って過ごしています

その場しのぎの関係でなく、覚悟を持って関係性を築いています

 

「シャチ姉は、バックレる奴が大嫌い」というセリフが出てきますが

異母妹「すず」に同居を提案した3人の姉は、

3人ともがっつり自分の領分を引き受けて「すず」との関係を作っていきます

3人の姉の両親は、自分の幸せを求めて「バックレた」人たちで

姉たちにとっては反面教師だったのでしょう

 

 一方、「すず」は

突然の病気で母を失い

長い患いで父の死と向き合う経験を

中学1年生にしてしています

 

 

身近な人の死と向き合うタイミングは年齢を待ってはくれません

それは運命とか、宿命とか

そういう言葉で当てはめるしかないような経験です

心を殺してしまうような体験を中学1年生にしてした「すず」が

迷うことなく異母姉たちと暮らすことを選んで

子供として向き合ったもらうことで迷う時間を取り戻し

旅立つことを選べるようになっていく・・・

 

 

 

生真面目に行ってしまえば、これはそんな物語なんです

 

テンポが良くて、明るくて

くすっと笑える、いい物語なんですよ~

 

 

 

子供を子供として扱うこと

 

 

「子供が大人しく」していてくれると、大人は楽じゃないですか

でも本来、子供は「子供らしい」時間があるべきで

「大人しく」しているのは無理があるんですよね

 

 

身近な人の死にむき合わなければならなかった中学生の「すず」は

快活ではありますけれど「ある意味、大人」です

大人を困らせるタイプの子供には、もうなれないのだと思います

 

 

中学生っていったら、

本来は自分でも自分を持て余すほどめんどくさい時期です

「大人」vs「子供」の図式を自分の中に作って

大人の矛盾だらけのところや、ご都合主義に

いっぱい反抗していい時期だと思うんです

 

 

私は子供たちに、

ちゃんと反抗させてあげられたんだろうかと思い返します

自分としてはガチンコでぶつかってきたつもり、ですけれど

もっと「子供」でいさせてあげられたんじゃないかなと、

今になると思います 

 

 

この物語の「お姉ちゃんたち」は、

「これは大人の仕事です」

と、いくつかの場面で宣言して家族の仕事を引き受けます

漢気感じちゃいます

 

そのカッコいいお姉ちゃんたちも、自分のことになると

懸命に自分と向きあって、じたばたしています

そのじたばたすらも、ちょっとカッコよすぎるよなぁと

改めて私が思った頃に

このお話は映画化されました

 

 

 

海街diary

海街diary

 

 

 

 

生身の人が、生の場所で演じること

 

生身の役者さんが演じることで、

私には妙に腑に落ちるところがありました

4人姉妹の息遣いとか、温度感とか

そうだよな~って、思えたんです

 

ひとつの家の中にいると、むき合っている時間の方が長いです

ひとつの物事を見ているときも、

それぞれが自分の席から見ています

 

懐かしい感じがする家や、庭も

映像の色が付くと、

お日様に当たったにおいまで伝わるようでした

 

 

 

海街diaryの4姉妹は、横に並んで同じ方向を見ていることがあります

 

 

原作漫画の中にもある、横に並ぶシーンは

小さいコマでも印象に残ります

映画の中では人が演じることで

手をつなげる位置にいる温度を感じて

姉妹のつながりを感じられて素敵でした

 

 

番外編が描く未来 

 

「すず」が姉たちと暮らす前の、家族の中の「弟、和樹」が

大人になるころの話です

「和樹」も「すず」が離れた後、自分の母から離れる決断をしています

 

 

番外編の中で「すず」は

穏やかな大人の言葉を使って「和樹」と対話しています

でも、その表情は読者に向けては描かれていません

「和樹」からは見えているように思うのですが

「すず」が何を感じているのか見えなくて

もどかしい感じで物語は進みます

 

 

すでに離れてしまっている「すず」との関係が

切れてしまいそうな時を迎えて

「和樹」は「すず」と「すずの父」がいた家族の光景が

自分を支えていることを感じています

 

 

「もうすぐ結婚する」

という「すず」がそこまでどんな時間を過ごしたのか

これからどんな時間を過ごすのか

読みたい気持ちでいっぱいです

 

ここに来て語り始めた「和樹」も、幸せになってほしいです

 

 

鎌倉を歩くこと

 

 

何年か前に、この物語つながりで江ノ島に行きました

あのあたりの海は穏やかですね

湾になっているからかな

おいしい生シラス丼をいただいて帰りました

 

 

 

その後も物語の中で湘南オクトパスは、

元気なメンバーを迎えているようです

 

私が出かけた後で、こんな本も出ました

今度行くときは、これを片手に歩こうかなと思います

 

 

 

すずちゃんの鎌倉さんぽ―海街diary (フラワーコミックススペシャル)

すずちゃんの鎌倉さんぽ―海街diary (フラワーコミックススペシャル)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海街diary 9 行ってくる (フラワーコミックス)

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