私、「趣味で楽しむピアノの先生」をしています
3~4歳児のピアノレッスンについて書いたら、
「そもそも、ピアノの選び方って・・・」
と、他の方から質問が来ました。
ありがとうございます。
「ピアノを習うなら、生ピアノを用意しなきゃいけないのかしら?」
と、思っている方がおられるようですね。
そんなことは、ありません。
あのね、最初はお手持ちのメロディオンで大丈夫ですよ。
最初の2~3か月は、十分メロディオンで練習できます。
その間に、どんな楽器を用意するか
充分に見極めてくださいね。
初めてピアノのレッスンをするなら
いろいろ、考えなきゃいけないこと、あるんです。
これから購入を考えている方、
まずは無理のないご予算で考えてください。
中古も利用できますよ!
今回は、「低予算で練習用楽器を用意する」ことをテーマに
お勧めの楽器を紹介します。
ピアノを置ける環境をよく見てみる
住宅事情で、考える
周りのお宅への配慮が必要になるのが、楽器の「練習音」です。
トラブルのもとを作らないように、しっかり見極めましょう。
ピアノの場合、
ヘットフォンを使った消音機能を使えるのものが多いので
専用の「防音付き練習室」が必要になるのは
プロを目指すときで十分です。
ご自宅のどこに設置するのかによって、
楽器のサイズを検討してください。
据え置きにするか、テーブルなどに乗せて使うかで
選ぶことができます。
練習時間から考える
楽器の練習をしたいなら、まずは
「ご近所に一声かけておくこと」が必要です。
「ピアノのレッスンを始めました。
気になったら、声をかけてください。」
と、一声ご近所にかけましょう。
そのうえで、
音を出して練習するなら、
早朝、夜間、お昼寝タイムは絶対にやめましょう。
小学生が帰宅するころの時間から、就寝する時間なら
お許しいただけることが多いです。
具体的には16時から20時ごろまでです。
その時間を外れて練習するなら、消音機能が必要です。
消音での練習の場合、音量を上げ過ぎないように
音量の設定は必ず大人が実際にヘットフォンをして
チェックしてください。
音が小さすぎも、手に負担をかけることになって
ケガのもとです。
「弱く弾いてみて、ちゃんと聞こえる音量」
「強く弾いて、耳に負担のかからない音量」
が、適度な音量です。
生ピアノを選ぶなら
今回「低予算」をテーマにしているので、
生ピアノはあまりお勧めはできません。
輸送するには専門業者さんにお願いするようになりますし
メンテナンスも調律師さんに、ほぼ毎年お願いすることになるからです。
それでも生ピアノにあこがれている方は、
身近な方の中に、使っていないアップライト(箱型)ピアノがないか
探してみてください。
実は中古ピアノの問題は、
戸建ての「空き家問題」に匹敵する大問題なんです。
譲ってもらえるなら、検討してみましょう。
古いピアノって、いい材料を使っていることが多いです。
今どきの新しいものより、よっぽどいい場合があります。
できることなら、使ってください。
同じレベルの新品を買うことを思えば、お得です。
生ピアノの音の問題
音の問題については、解決の方法があります。
調律師さんに相談すると、
生ピアノに電気のキーボード機能を
あと付けしてもらえます。
出来上がりは、
かなりいい電子ピアノと、同じ程度のレベルのものになります。
もちろん、生ピアノとしても普通に使えます。
私は「KORG」の製品を設置しています。
うちのアップライトピアノは 私よりお年寄りですが
子供が中学生になって、
練習時間が夜になった段階で電子機能を設置しました。
消音してもカタカタと鍵盤が動く音は
電気楽器のピアノと同じように聞こえますが、
よそ様にまで聞こえるわけではありません。
夜中の練習ができるようになって、
すごく助かっています。
価格は、「そこそこ、いい電子楽器」くらいです。
低予算というわけにはいきませんが
新しい電子機能付き生ピアノの購入を検討するなら
低予算です。
電子ピアノを購入する場合
そもそも、ですが
小さなお子様がピアノのレッスンを「3年」続けられるか
心配ですよね。
大人の方でも「1年」続くかどうか、
「やってみないとわからないな」
と、思っておられるのではないでしょうか。
まずは、
「小さなお子様なら3年使える」
「大人なら1年使える」
そんな楽器を購入してみましょう。
私は
¥15,000ー程度の「電子キーボード」を、お勧めします。
(このタイプは、カシオの独壇場です)
ポイントは
指で強弱がつけられること
ガイド機能(光ナビ)が付いていないもの
鍵盤の大きさが生ピアノと同じもの
です。
このサイズですと
ダイニングテーブルや勉強机の上に置いて練習できるので、
キーボードの足を購入する必要はありません。
椅子の準備は大事な問題です
ピアノ練習用の椅子をだけは、
私はあえて、
背もたれ付きの専用椅子をお勧めします。
子どもの成長によって、
ピアノは椅子の高さを変える必要があります。
テーブルの上に楽器を置いて練習すると
大人でも食事用より、高い座面が必要になるので、
購入することをお勧めします。
ピアニストの座り姿勢は、背筋が伸びて綺麗だと有名です。
それは、椅子の座り方に特徴があるのです。
椅子の座面3分の1に腰を下ろして、
足でしっかり体を支えています。
もしかすると楽器より椅子の方が高額になるかもしれませんが
是非お買い求めください。
小さなお子様には、足台が必要になります。
私は「専用の足台は購入する必要はなし」と思っています。
段ボール箱に新聞紙をぎっちり詰めることで代用できるからです。
背の高さによって足台も高さが変わりますが
背の高さにあった高さの段ボール箱を見つけてくれば充分です。
足台はペタル機能が必要になるころまで、使用します。
ピアノのレッスンが3年以上になった場合
お子様のレッスンが3年以上続くなら、
2万円程度の楽器(61鍵盤)では鍵盤数が足りなくなってきます。
5万円~8万円程度のキーボードへの買い替えが必要になります。
3年以上、続ける自信があるなら
この価格帯から購入するのもいいと思います。
最近、この価格帯の電子ピアノがすごくよくなりました。
以前なら10~15万だったものと、ほぼ同じレベルのもが
5万円~8万円になってきました。
選ぶ基準は
据え置き、88鍵、足付きのものがいいと思います。
鍵盤に蓋が付いているものがおすすめです。
結構ホコリを被るので、お掃除が面倒なんです。
(このレベル、私はカシオとKORGをお勧めしたいです)
カラーバリエーションは、たくさんあるので
各社のホームページ等で確認してください。
こちらを購入すると、椅子が付いてきてしまいます。
ついてきた椅子は上に書きましたように、使い勝手がよくありません。
横型の椅子は、どうしても背中が丸まりやすいのです。
(お店で実際に、座って試してみてください)
しつこいようですが、上にご紹介した背もたれ付きのタイプの椅子を
別買いすることをおすすめします。
もちろんお手持ちのものがその時点であれば、
引き続きお使いください。
大人の方で、初めてでも音質にこだわりたい方には
KORGの18万円以上
ローランドの25万円以上
ヤマハの25万円以上
の製品をおすすめします。
生のピアノに近いタッチ、音色等
コスパの良い、素晴らしい楽器が出ています。
音楽専門高校、音楽大学、進学を希望される場合は
中学生以上の方が、
改めて、楽器の購入をオススメします。
お稽古されている先生に、予算をお伝えして相談しましょう。
ここまで行くと、低価格で楽器を用意するのは難しいと思います。
場合によっては、防音室を用意することになります。
このレベルでは、生楽器の練習が必須になるからです。
ピアノの左側のペタル『ソフトペタル』は、
一部のアップライトでも練習可能ですが、ほとんどのものは無理があります。
グランドピアノでの練習が必要になります。
防音室を跡付けする場合。
家の中に大きな箱を入れるイメージで室内に設置することができます。
状況によっては床の補強も必要になるかもしれません。
大がかりなリフォームとなりますので、
合わせてご検討ください。
リフォームまでは無理・・・という場合、
日本の電気ピアノはプロも認めるものがたくさん出ています。
追っかけファンの対策に悩んでいたある巨匠ピアニストは、
演奏旅行中のホテル自室での練習用に
日本の電気ピアノを愛用しておられました。
「音漏れせずに練習ができる」
と、お気に入りだったそうです。
上記に紹介した3社の
20万円台以上の電気ピアノに
巨匠お気に入りの製品があります。
その時が来たら、検討してみたください。