義実家の庭は、私にとって義父との話題を見つける場所で
「今年の大根は……」とか
「きゅうりの出来がいいね」とか
家庭菜園の様子から何とかコミュニケーションの糸口を見つける種でした
夫が一度目の定年退職をした時、それぞれの親の住まいまで日帰りできる場所に引っ越してきて、子育てしていた頃の3倍は義実家に足を運ぶようになりました
顔を合わせる機会が増えても、やっぱり庭は義父とのコミュニケーションツールでした
1月に義父が亡くなって、
3月初旬に義母が施設に入所するまで
義母と義実家で暮らしました
改めて庭をよく見ると
この数年、義父も義母も庭に手を入れるだけの余裕が無かったんだなと感じる状態になっていました
義母がこの家を出ると、日々の庭の管理をする人がいなくなります
いえ、既に毎日のお手入れは出来ようもありません
ご近所のご迷惑にならないように、維持できる庭を目指して庭仕事を始めました
ガスメーターを覆い隠していたアジサイの枝を、ガツガツ切って半分以下に減らし寒肥を与えました
細く絡み合ったバラの枝は枯れているものから取り除いて、虫食いのあるところも切り取りました
つるバラ系で棘が多くて難儀しました
私は、バラとの付き合いを「扱いが大変そうだ」と避けてきたのでどうするのが正解かはよく分かりません
それでも植物の常で、風通しを良くしておけば枯れることはないだろうとがっつり切りました
義実家の地域にバラが咲くのは5月中旬から6月初旬です
いつもゴールデンウィークに来ていたので、バラが咲いているところを見たことがありませんでした
こんなに可愛い一重咲きの小バラだったなんて、びっくりです
義母が
「鉢植えのバラを、地面に下ろしてくれないかしら
持って帰ってくれてもいいんだけど………」
と、言いました
「ごめんね
うちにはもう植物がいっぱいで、植えるところがないの」
そんなのは言い訳で、バラの扱いに及び腰だっただけです
ボロボロの袋に「牛ふん堆肥」と書いてあったので、陽当たりのいい場所に穴を掘って入れました
堆肥の量が多かったのか、少なかったのかもよく分かりませんが木立性のバラと、ミニバラをそれぞれひと鉢植えました
3月初旬、新芽が出ていたので根着いたことにホッとしました
4月には蕾が着いたので、咲くといいなと期待しました
5月、深紅のバラが咲きました
香りも強くて
The Roseって、感じのバラでした
今日、義母を連れて庭の手入れに行ったら
ミニバラも一輪咲いていました
カメラを持ってくる間に、はらっと崩れて散りました
咲いているところを見ることが出来て良かったです
この数週間、バラのお手入れの動画をたくさん見ました
私が知らないうちにバラの世界は「病気に強い、花期の長い、お手入れの楽なバラ」が、たくさん開発されているようです
もちろん義実家のバラがそうだとは限らないので、専門家の言う通りに花の下の5枚葉の上1cmで枝を切りました
既に新芽が出ているところもあるので、育ってくれるといいなと思います
小バラの方は葉の色が良くないので、この先の生育は見込めないかも知れません
それでも一応、整えてから「殺菌、殺虫剤」のスプレーを「葉裏7割、葉表3割」と唱えながらかけてきました
義実家の辺りは、このところ空き巣被害か多発しています
築50年級の住宅地は高齢化が進んで空き家が増えていて、住んでいる方はナーバスになってきています
見回りをしている町内会の方に
「キチンと片付けて、荒れた状態を見せないでください」
と、言われてしまいました
見かねたところがあったようで、片付けもされてしまったところがありました
「よそ様目線で綺麗にしよう」と、夫や義妹と申し合わせています
義父が撒いたスナップエンドウの収穫を終えてから、例年通りにミニトマトを植えました
空いた場所に、物置から発掘された「芽が出たじゃがいも」も植えました
だいぶ植え付けのタイミングが遅かったので、梅雨が来るギリギリまで収穫はのばそうと思います
花物をいくつか植えたところは、ナスタチウムが占領していました
私が義実家に通うのは月に一度か二度くらいなので、手入れをしなくても元気に育つものは良しとします
タラの芽の天ぷらが好きだった義父が植えたたらの木は、地下茎で増えて庭の半分を占領しそうな勢いです
「従姉妹に苗木をあげるから残しておいて」
と、義母は言いますが
義母の去った義実家にその方が来ることはもうなさそうです
数本を残して根元から切って広がり過ぎないように気をつけながら、大きくなった木と若い木を入れ替えていこうと思います
春先には気が付きませんでしたが
ギボウシが手を広げるくらいに大きく育っていました
花芽が上がってきているので、このままにしようと思います
何かが植わっていれば雑草も増えないので、しばらくこのままギボウシに頑張ってもらいましょう
ホタルブクロが咲いていました
雑草と間違えて抜いてしまわなくて良かったです
鉢植えだったアジサイを2鉢地植えにしました
片方は今年は花を付けませんでしたが、もう片方は小さいながら濃いめの赤い花を付けました
今日義母がこのアジサイの色をとても喜んでいたので、花が終わったら「赤のアジサイの肥料」と石灰を周囲の土によく混ぜておこうと思います
そうそう、今日気がついたのですが
義実家の庭には2種類のドクダミがありました
斑入りの葉っぱのドクダミと
八重咲きの花が咲くドクダミです
義父か義母が植えたのでしょうか
どちらも一般的なドクダミほど増えないようなので、抜き取り過ぎないように気をつけます
道路に飛び出したイチジクの枝を、夫が塀の中に引き入れていました
イチジクの枝って柔らかいんですね
これではほとんど日が当たらないので、ふたつだけ着いた実が熟すかどうか心もとないです
夫は敷地の外に植物が出てしまうのが気になって仕方がないようなので、黙っておくことにします
今日の義母は、自分から庭に入って作業をしたりして何時になくよく動いていました
花を見たり木を見ては、楽しげに話をしていました
義実家の庭は義父が去った後、義母とのコミュニケーションツールになりました
たまになら帰宅できる義母が、いつまで帰宅できるか、いつまで庭を覚えていてくれるかわかりませんが義母が帰ってこれる間は何とか庭を維持したいと思います
負担を軽減できる庭作りを探っていこうと思っています