仕事で都内に出た帰り、
時間ができて「隙あらば、どこかによりたい」気分。
上野駅で降りました。
上野公園、寒桜が咲いていましたよ。
Twitterで評判になっていた展覧会に向かいます。
「国風盆栽展」東京都美術館です。
撮影OKとのことだったので、
「いいなぁ」と思ったものを、撮らせていただきました。
緊張するなぁ。
中に入ると、樹木のいい香りがします。
マイナスイオン、たくさんです。
大ぶりな作品が多いです。
何十年も、丹精込められた盆栽が並んでいます。
こちらの盆栽展展示の方法が、一つの作品として、
「大小の鉢がひとつづつ」
「大中小の鉢場一つずつ」
というような形で、世界観を表現しています。
それぞれ惹かれるところがありました。
小さい鉢は、
お盆に乗るサイズです。
盆栽として鑑賞するのも素敵ですが
小ぶりも物は
寄せ植えとして、楽しむのに
可愛らしいものが多くありました。
どうやってバランスをとっているのだろうと、思います。
ちょっと揺れたら、落ちそうです。
断崖絶壁に生きている風情を表すといわれている、
盆栽のテーマになる風景です。
台も凝っていますね。
観葉植物として、手に入りやすいものを植え込んであります。
溶岩でできた鉢だったかな。
普段使いに参考にできる植え込みですね。
こちらも、小さい中に春夏秋冬を盛り込んだ作品で、
とても可愛らしい寄せ植えです。
流木を鉢にしてあるところも、風景を作っています。
展覧会に合わせて花を咲かせるのは、難しいと思います。
木瓜の淡い色合いが、とてもかわいらしい作品でした。
葉の色合いが、美しいですね。
こちらも、特に珍しい植物を植え込んでいるわけではありません。
外で管理のできるものばかりだし、
盆栽風の寄せ植えを始めるには、
この辺りからがよさそうです。
一種の植え込みも、いいですね。
六角形の鉢が、葉の色を鮮やかに見せています。
美術館の会場は乾燥するので
何度も霧吹きで水を補給していました。
ちょっと水が多すぎではないかと、心配するほどです。
冬の表情の樹木と、シダ科の緑を小鉢に植えこんだ
メリハリが美しい作品です。
落葉樹を盆栽にするとき、栄養補給が難しいと聞きました。
何年も植えきりにする盆栽は、土からの栄養補給ができません。
特に落葉樹は普通は腐葉土を自ら作るようなところで生きているので
余計に難しいのでしょう。
溶岩に植え込んだ、凄みのある作品でした。
足元の苔も豊かで、日ごろのお手入れがうかがえます。
ここに並ぶ作品は、完成系なので
針金ひとつ、ついていませんが
祖父が盆栽をしつらえているときに、
ぐるぐる巻きにしていたのを覚えています。
岩に張り付けるための粘土、
空気を含むように苔で根っこを覆って
台になる岩に巻き付けていました。
こちらは志那竹をつかった涼し気な作品です。
苔玉で栽培されたのかな。
枝をまげて伸ばすためにも、針金を使っていました。
華道をしていた時にも、よく針金を使って形を整えたので
特にそれが問題というわけではないのかもしれません。
ただ、「植物にとって、どうなんだろう?」と
いつも思ってしまいます。
これも可愛らしい作品でした。
つい、洋風の鉢に植えこんでしまいがちですが
花を見せるには「和の鉢」は、引き立ててくれていいですね。
鉢の色と実の色が、合わせてあるのを初めて見ました。
お生花のような植え込みだと思います。
鉢もかわいいですね。
食器を使って真似ができそうです。
樹木を植え込む盆栽は、派手に感じる鉢をよく見かけます。
亡くなった祖父は「鉢植えの観賞用植物」を売る仕事をしていて、
盆栽も作っていました。
絵を描くのも仕事にしていたので
時々、鉢に絵付けをしていました。
でも、こんなにかわいい鉢は見たことがなかったです。
最近のはやりなのでしょうか。
この作品は、すごかったです。
見る方向によって、全然、世界観が変わります。
白くなっているところって、
祖父に言わせると「死んでいるところ」なのだそうです。
それを腐らせずにうまく乾かして、綺麗に見せるのが難しいそうです。
鳥獣戯画ですね。
しかも、水の情景です。
花の咲く木を、安定する形で植え込んで
落ち着きます。
雪の下の一種かな。
立ち上がるつぼみが、勢いを感じます。
どちらかというと、中型の鉢に植えられていました。
満開です。
季節を通して楽しめる花物は、いいですね。
でも管理が大変そうです。
こういったものも、盆栽として扱うんだと
認識を新たにしました。
入り口にするにはよさそうです。
かなり大きな岩に、這わせてあります。
根っこが乾かないか、心配になります。
でも植物って、強いんですよね。
ぐい飲みのような鉢ですね。
こうして、盆栽として植え込むと、斑入りの葉が映えるのがわかります。
祖父や父が、斑入りを重宝していたのがわかります。
こちらの鉢もかわいいです。
何十年も付き合う樹木の盆栽は「しんどい」気がして
やらないでおこうと思ってました。
でも観葉植物は好きなので、
盆栽仕立てはやってみようかと思った展覧会でした。
樹木は数十年のお付き合いになるので、
お手入れし続ける覚悟ができません。
「枯れるもの」とはいっても、
これまで何十年も丹精込めてこられた先人に、
枯らしてしまったら申し訳が立ちません。
ここに並ぶ盆栽は、いわば「値段の付けられないもの」です。
私自身は、盆栽は鑑賞する方になりたいと思います。
身近に楽しめる、小さなものを
暖かくなったらしつらえようと思いました。
追記
頑張って、たくさん写真を載せてみました。
私の言葉のほうが邪魔ですね。
バランスがむずかしいです。