空元気も元気!

ちょっとだけ頑張った日の記録です

伝説巨神 イデオン

 

伝説巨神イデオン』は、

機動戦士ガンダム』終了直後の1981年に

富野由悠季さんが監督して発表されたテレビアニメ作品です

放送終了1年後に『THE IDEON』が映画化されています

 

ロボットを登場させた作品ではありますが、

 

・文明の終わりと始まり

・業と生、強者の理論を感じさせる世界観

・コミュニケーションの不確実な様

・物事を理性的にとらえる限界

・戦争に巻き込まれていく悲惨さ

 

等を描く重めの作品です

 


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こんにちは 「はむすた母」です

 

先日、とても素敵なブロガー様のオフ会に参加させていただきました

そこで『イデオン』の話題がでまして、

上の写真のものを久しぶりに引っ張り出すことになりました

 

サントラ2枚と、組曲バージョンのLPレコード

イデの発動マークは映画版『THE IDEON』のレーザーディスクです

幾度もの引っ越しに耐えて、我が家に残るものたちです 

 

 

イデオン』は、

富野作品としては『ファーストガンダム』の後作品にあたります

ガンダム』よりもさらに子供にこびない作品で

おもちゃの売れ行きはいまひとつだったみたいです

 

 

 

 

 作品としても『ファーストガンダム』同様に

42話完結予定が39話で打ち切られました

最終話になった39話は、

最後の数分間に最終シーンを突っ込んだことを

当時のスタッフがアニメ雑誌等で告白しています

「ちゃんとしたラストを見たい」

というファンの要望が

1年後の映画化の後押しになりました

 

 

そんな事情からかこの映画版『THA  IDEON』は、

前半の「接触編」と、後半の「発動編」の間の物語が抜け落ちた

テレビ版を見ていないとわかりにくい

映画としてはとても不親切な作品になっています

 

 

(ネタばれアリ)

人類が地球外の惑星に移民を初めて半世紀たった世界

ソロ星で古代人のものとみられる遺跡が見つかり、

「地球人」が発掘・調査をしていた

分解して隠された遺物がロボットではないかと分析され始めたころ、

無限エネルギー「イデ」を探索に来た異星人「バッフ・クラン」と

不幸な形の接触が行われてしまう

その接触のさなか、遺物が動き出しコントロールもままならない中で

登場人物たちは戦闘状態に巻き込まれていく

 

 

 

 

 

この「不幸な接触」と言うのが、

バッフ・クランの「カララ」が軽率に起こした行動が原因となっています

 

カララさんは、最初こそ「わがままなお嬢様」として登場しますが

相手を思いやり、尊重することができる人です

この物語のキーマンであるカララさんは

理想主義者で、冷静な判断をしようと努力する人物として描かれます

ソロ星を脱出した地球人には受け入れられていきますが

地位のあるバッフ・クランの家族には、

同胞を戦いに巻き込んだものとして

最後まで受け入れられることはありません

 

 

 

イデオンもそれを乗せるスターシップも、

「第6文明人」と呼ばれる者たちの遺物です

この物語の中でその姿を現すことのない「第6文明人」こそが

この物語を決定する意思です

「イデ」は無限エネルギーであり、

第6文明人の意識の集合体です

 

 

 

 

バッフ・クランに追われるようにソロ星から逃げだした地球人たちは

行き場を失いさまようことになります

同胞の場所であっても、かけ込まれた側からすると

「わけのわからない敵を引き連れてきた迷惑なよそ者」

となってしまうからです

彼らは「イデ」に自分たちの運命を握られていることを認識しています

だからこそ、「イデ」が純粋な世界を作ろうとしていることを感じ取り、

より良くあろうとして戦います

 

一方、バッフ・クランから見ると、

ソロ星から逃げ出した者たちは

「ロゴ・ダウの異星人」=敵民族=地球人

となって拡大していきます

相手の大きさが分からないだけに

認識するロゴ・ダウの異星人の力を感じるたびに、

バッフ・クランも戦争に投入する人数を増やしていかざるを得ないのです

不幸な一つの接触が大きな戦争に拡大していく様、

巻き込まれる人々が増えていく様を的確に表現されていて怖いです

 

 


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イデオン』という作品を持って、

富野監督は「殺しの富野」という異名をつけられています

登場人物が容赦なく殺されていくからです

 

 交渉の余地なく、頭を撃ち抜かれる

 目の前で首が飛ぶところを、登場人物が見つめる

 お互いの思いを認め合うことなく、正面から撃ちあう

 

軍人であれ民間人であれ、大人子供に関わらず

殺され方に容赦はありません

「リアルな戦いならこういうものでしょ」

という声が聞こえてきそうな表現です

 

 

『THE IDEON』では最終的に「イデの発動」によってすべての生命は失われ

人々の観念と言うか、精神と言うかが

新たな世界へ旅立つような表現で物語を終えます

 

この作品の放映当時、私は高校生だったのですが

「これを書いてしまったら、もうほかに書くべきものはないのではないか」

と感じてしまいました

今回、改めて見直してみても

いろいろ疑問詞ばかり感じます

 

全てを破壊し、新たな世界を作りなおす発想は

ある種の理想としてわからなくはないのです

ただし「意識の集合体」に大きな決定権を持たせれば持たせるほど

個々は否定されてしまいます

 

それでも、私達には

個としての人生しかないわけで、

より良くあろうとしてきた者たちまでを全否定したところで

「全体」対「個」

の構図は、何度やり直しても同じ結果にしかならいと思うのです

 

この考えは、私の根っこの部分にずっと影響を与えています

 

 

 

ラストシーンを見ながら、主人が

イデオンって、エヴァンゲリオンみたいなラストだったんだっけ?」

と、言いました

先のオフ会でも

イデオンを観ずして、エヴァを語るな!」

と、力説する方がいました

 

どちらも「ひとつの終焉と始まり」を描いているように思います

 

エヴァ』をお好きな方、

イデオン』と言う作品を一度ご覧になることをお勧めします

 

 

 あ、最後に

戸田恵子さんが歌う

テレビ版のエンディングテーマが素敵です

 

 

 

 

 

 

 

 

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