ひとつ屋根の下に集うのは、
血のつながった家族とは限りません
懸命に生きていく人が
自分なりのやり方で日々を過ごしているのです
おいしいものの出てくる小説を、たくさん読みたいと思って
近所の図書館に足を運びました
たくさんあるもんですね~
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旅もの
親子もの
食べることは、生きること
改めてそう思います
でもこの本で、料理の腕は上がらないかな
この記事書きあがったら、
パン屋さん行くぞーって、思っています
【読書感想、ネタばれアリ】
夜中に回転しているパン屋さんが舞台です
このパン屋さんは、「亡くなった奥さん」が開店準備をしていたお店で
その奥さんの「弟子」ともいうべき青年が中心にパンをつくり
その奥さんが「妹」と称した女子高生が店番に立ち
亡き奥さんを思い続ける「ご主人」がオーナーをしています
彼らは、今を、生き生きとしているので
ヘヴィな過去を持つことなんて、読んでいても忘れてしまいます
彼らをつなぐ「亡くなった奥さん」が
「誰かの傘になれるような、店」
を、作りたかった思いが
きちんと伝わっている感じがします
「人を助けたいと思っても、
河でおぼれている人に意味のない傘を差しだすように
時々、とても不毛なことをしているように思える。」
という友人に、彼女は
「間違った傘でもいいと思う。
なんの手も差し伸べられない絶望よりずっといい。」
と言います
誰かを救うなんて、
自己満足のおせっかいでしかないかもしれないけれど、
自分が「助けてほしい」と思うときには
おせっかいでも、的外れでもいいから
誰かの助けが欲しいと思うもの
自分がしてもらったことと、同じように
誰かを助けることはできないかもしれないけれど
差し伸べる手だけは、引っ込めたくない
このパン屋さんに関わる登場人物は
そんな風に、
救いたいと思う人のために奔走します
彼らが救いたいと思うのは、
「過去」にとらわれて道を間違えたかつて関わった人たちです
過去にとらわれた彼らから見ると
今を、ちゃんと生きている彼らは
希望であり、託したい相手であり
頼りたい存在でもあります
まあね~
昔の友達に
「お前は、俺の希望だ!」
とか言われても、困っちゃいますけどね
「尊敬してる」
とかも、改めて言われても
どうしたらいいんだって、かんじですよね
そこを、
不器用ではあるけれど
前向きに解決に向かう彼らが愛おしい
読後感のすがすがしい本でした
さて、近所のパン屋さんに行って
クロワッサンを買ってこよう
おいしいものが出てくる本は、太るもとだなぁ