19歳娘が通っていた高校は、いわゆる小規模校。
入学した年、全校生徒約150名。
つまり、1学年50名。
野球部は、それでも各学年5名以上
部員15名以上はおりました。
小さな学校は「吹奏楽部」がありません。
毎年、6月初めの学園祭が終わると
「野球応援のための、吹奏楽団員募集」があって
中学時代吹奏楽部だった娘は参加しておりました。
この応援団は、15名いればいい方で
どうかすると旗持ち2名、
声を張り出す指揮官3名が含まれるという
これまた小規模応援団。
吹奏楽経験者がメロディーパートにいれば御の字で
未経験者ばかりがメロディーに入ると
なかなか・・・な事態になります。
応援団といえば鳴り物部隊。
大太鼓、ドラム部隊は欠かせません。
未経験者が多いとここに人数がとられます。
ちなみに娘はもともとコントラバス奏者。
コンバスは野外ではほとんど響かないのと、
楽器が直射日光に耐えられないので
応援団には使えません。
コンバスと同じ低音部パートのチューバを担当しておりました。
10人前後のメンバーで、低音部は2名いればいい方です。
娘のほかは、未経験者の場合がほとんどで
親の欲目ではなく、娘の音しか聞こえてこない低音部。
娘が高校3年、つまり去年。
メロディーパート、経験者1名(娘のクラスメート)
低音部パート、経験者1名(当然娘のみ)
我が家は、親2人して、
応援団の娘の応援に通いました。
くしくも昨年、
娘の高校の野球部は入学以来、初の3回戦突破、
4回も試合があるという好成績。
野球部の保護者以外で4試合とも通ってしまったのは
多分うちだけです。
しかもお父さんは有給まで使って、
「応援団の娘の応援に行きます」
と豪語する始末。
本当にクラスメートと娘の二人はよく頑張った。
他のメンバーが暑さと肺活量にダウンする中、
4試合とも最後まで演奏し続けました。
19歳娘 「吹奏楽部って、真夏の大会に向けて
あっつい音楽室に閉じこもって
毎日長時間、練習するんだよね。
野球の試合にすると3試合分かそれ以上。
でもこのチームは、1試合分だって
まともに練習する機会がないからねえ。
知らない人は、吹奏楽部が
完全に体育会系だって気が付いてなかったり
するんだよねえ。」
3時間、ロングブレスダイエットしたら、
たいていの人は倒れます。
でも、せっかく参加してくれた未経験者に
冷たいことは言えません。
ひと月やそこらで応援団に仕立てようという方が
無理な相談ですから、仕方ないんです。
炎天下で初心者が1時間も頑張れれば、
それはもうほめてあげてもいいくらい。
でも試合はそれじゃ終わりません。
7回のエールの交換、校歌演奏なんて
相手校に申し訳ないほど。
すでに他の団員がリタイアして
必死の形相の旗持ちと
たった二人の演奏に
全校生徒と教職員ほぼ全員、保護者込みでも200名弱の歌声。
そんな時に限って、
相手校は
県下トップ全国レベルの吹奏楽部を有する学校
1学年のみ500人態勢で応援に来ていたりして・・・
応援団が試合をするわけではありませんが
応援団には応援団の戦いがあるわけで、
勝ち進む野球部に励まされながら
4試合、
頑張る娘見たさに
応援に通ってしまった親二人。
末っ子の最後の高校生活に
たっぷり楽しませてもらった「高校野球」の思い出になりました。